株式会社エヌオーイー様は、総合旅行代理店として、パッケージ旅行や、企業の出張旅行等、様々な旅行商品を取扱っています。プライバシーマークは2007年に新規取得の企業様です。
プライバシーマーク新規取得に取り組まれた頃のことを教えてください。
社内でPマークを取ると決定されたのが2006年3月。そこで各業務部門から9名のワーキンググループでスタートしました。当時、旅行業界でPマークを取得していたのは確か9社くらいだったと思います。取得にあたってはコンサルタントを選択することとなりましたが、どこも費用が高く苦慮していました。そうした時、バルクさんからのセールスを受けましたが、たまたま取得のために読んでいた本がバルクさんのものでした。
それで当社にコンサルティングを依頼してくださったわけですか?
複数の会社を比較しましたが、当時の旅行業界の個人情報の取り扱い方から見て本当に取れるのかという不安もありました。文書類のテンプレートをベースにしながらも当社向けにカスタマイズ可能で細かな相談にも乗ってもらえ、そして取得するまで面倒を見てもらえる会社ということでお願いしました。金額的にもリーズナブルで旅行業界に精通した方がいたことも大きな決め手になりました。
PMSを構築する上で苦労したことや、工夫したことはありましたか?
当初は、現場で下から積み上げていくような文書化を想定していましたが、JISの基準に従うことが要求され、それを当社の業務に当てはめていかなければならないところが大変でした。内部的には役職レベルの設定や機微情報の取扱いルールなどで工夫をしました。また、プロジェクトスタート時は1999年版のJISだったのですが、申請直前に2006年版が出たため、新ヴァージョンでの取得に変更したため予定よりも時間がかかりました。
運用においてはどうでしたか?
PMS文書内にJISの表現を残さなければならないので、現場から解釈が難しいという声があがりました。あまり細かく突っ込みすぎるととっつきが悪くなるので、まずは重点ポイントを入退室、クリアデスク、クリアスクリーンなどに絞り込んでそこに注力してなじみ易くしていきました。その後、各課長により自己点検を月1回実施するようにしました。チェックリストも委員会で何回も手直しして自社にあったものとし、なじみ易くなるように改善していきました。
その後委員会はどうされましたか。
Pマーク取得後、当初の「PMS取得推進委員会」を解散し、新たに運用を定着させるため「PMS委員会」を発足させ、1年くらいは残しました。それ以降はPMSの体制に従って運用を行っています。
審査はいかがでしたか?
最初は緊張しました。バルクさんからいろいろ審査に関して情報ももらいましたが、本番では非常に細かな説明を求められて苦労しました。新規取得後は社員の意識も変わり、運用についても規程に沿って実施し、記録類も整備してきましたので更新の際には文書審査での指摘はなく、現地審査でも指摘はわずかでした。指摘では海外のランドオペレータの評価まで要求されましたが、英文のガイドラインを参考にチェックリストを作り、それをもとに契約書を書いてもらい1回で通ることができました。
バルクのコンサルティング、その他について感想をお聞かせください。
バルクさんのテンプレートがなければ取得も難しかったですし、非常に助かりました。審査員の方からもよくできた規程だといわれました。コンサルタントの方ともかなり突っ込んだやり取りをよくさせていただきました。
今後のプライバシーマーク維持、更新に向けて考えていることはありますか?
よりわかりやすい言葉で本来の業務にフィットしたPMSにしていきたいと思っています。人が変わっても維持していけるよう、それを教育し周知させたいですね。また、Webでの取引が増えてくるので、漏えい防止対策の強化も課題としてとらえています。
“2年に1度の受験勉強”ではなく、日々きちんとやってきたことがよかったと思います。これからも維持・向上を目指していきたいと思います。
ありがとうございました。