2025年6月4日、神奈川県川崎市の行政機関である川崎市交通局は、個人を識別できる映像データを保存したUSBメモリ1点が所在不明となっていることを公表。
対象となる映像には、延べ約220名の歩行者などが映っていた。
交通局によると、紛失したUSBメモリには、2022年10月3日に市営バスの生田線2ダイヤで運行された車両前方のドライブレコーダー映像が合計約7時間19分にわたり保存されていた。
映像は、午前5時26分から午前8時57分まで、および午前10時00分から午後1時48分までの2区間を記録していた。
このUSBメモリの紛失が明らかになったのは、2025年5月14日、担当職員が映像確認を行おうとした際だった。
現時点でも発見には至っておらず、同局は報道発表を通じて事実を公表。
ドライブレコーダー映像の再取得は営業所に保存されていた元データから可能であり、業務には支障が出ていないという。
現時点で個人情報の流出は確認されていない。
調査によれば、USBメモリが所在不明となったのは2025年3月6日から同月31日までの間とされており、具体的な紛失日については特定できていない。
また、旧担当者がUSBメモリの所在不明に気付いていたものの、所属長への報告がなされていなかったことも判明している。
原因として、USBメモリの保管管理において、川崎市が定める情報セキュリティ基準が遵守されていなかったことが挙げられている。
本来、USBメモリは所定の場所で保管し、利用には記録を残す必要があったが、実際には個人のデスクで保管され、利用記録も作成されていなかったという。
交通局は今後、以下の対応を行うと発表している。
・USBメモリの継続的な捜索
・映像データのオンライン授受の導入(2025年度より開始済)
・可搬媒体の保管・記録ルールの徹底
・eラーニングを通じた職員への情報セキュリティ教育の実施
・所属長への報告体制の再徹底
【参考記事】
交通局における個人情報を含むUSBメモリの所在不明について
https://www.city.kawasaki.jp/